国内

CSK - TradeOne

ドメイン
    バックオフィスシステム
開発対象
    証券バックオフィスシステム TradeOne
    日本
開発組織
    CSK
形式手法(言語、ツール)
    VDM++ (VDMTools)
適用範囲・規模(形式手法)
  • TradeOne全体のうち、マル優サブシステムとオプションサブシステムに適用した(ソースコード行数の割合では約6割)。

  • マル優サブシステムに関してVDM++の行数は、
  • ビジネスロジックが8,102行
  • 制約が1,539行
  • TradeOneシステムのユーティリティが1,342行
  • 汎用的な目的のためのユーティリティが774行
  • 合計11,757行

  • オプションサブシステムに関しては、
  • ビジネスロジックが10,846行
  • テストシナリオが13,771行
  • テストケースが31,641行等
  • 合計68,170行
適用対象のソフト種別
    エンタプライズ系
適用目的・工程
    仕様記述、設計
実装言語
    C++, Java
実装規模
  • TradeOne全体では、1,342,858 DSI (DSIはソースコード行数とほぼ同義。COCOMOで利用される。)
  • マル優サブシステムは18,431DSI
  • オプションサブシステムは60,206DSI
効果
    エラー発生率が、
  • マル優サブシステムは0件
  • オプションサブシステムは0.05/KDSI
  • TradeOne非適用部分では、0.67/KDSI

  • 生産性が、見積りよりも50-60%程度向上した。

(出典: John Fitzgerald, Peter Gorm Larsen, Paul Mukherjee, Nico Plat, Marcel Verhoef, Validated Designs for Object-oriented Systems, version 1.2, 2004)


詳細情報

検証内容

検証規模

    テストの達成率は、C0(命令網羅)レベルで98%であった。

期間

    2000-2001

判断

形式手法を利用した動機

    上流工程での検証が可能であるため、高信頼性、高生産性を実現できる。

手法・ツール選択理由

障害と工夫

組織

体制

    マル優サブシステム:
  • 6人チーム(ひと月あたり平均4人、3.5か月間)で開発された。まずシステムアーキテクトがVDM++モデルの全体的な基本的なフレームワークを設計した。次に、4人のVDM++経験者が、並行してモデルを作成した。全てのVDM++モデルはチーム全てのメンバによってレビューされた。最後にフタルのプログラマがVDM++モデルから手動で実装した。
  • 全ての開発者は40歳を越えており、ソフトウェア開発経験は20年以上あった。
  • 4人は、形式手法について基本的な事前知識があった。

  • オプションサブシステム:
  • 10人チームで開発された。
  • まずドメインのエキスパートが日本語でオプションサブシステムの機能要求を記述した。
  • 並行して、マル優サブシステム開発者のVDM++エキスパートの一人が、1週間以内でVDM++について指導した。
  • 次に、ドメインエキスパートがオブジェクト指向のエキスパートの協力を得て、UMLでユースケースを書いた。
  • 並行して、マル優サブシステム開発者であったシステムアーキテクトが、VDM++モデルの全体的なフレームワークを記述した。
  • 次に、二人のVDM++エキスパートと、新しく指導された3人のプログラマがVDM++モデルを完成させた。

教育

    オプションサブシステムの開発工数は合計で60.1人月であり、教育に要した時間はそのうちの2.8人月であった。

その他

情報源

  • ソフトウェアコンポーネント技術に関する調査研究報告書, http://it.jeita.or.jp/eltech/report/2004/04-jou-4.html, JEITA
  • John Fitzgerald, Peter Gorm Larsen, Paul Mukherjee, Nico Plat, Marcel Verhoef, Validated Designs for Object-oriented Systems, version 1.2, 2004, http://overtureeditor.googlecode.com/svn/trunk/Documentation/literature/VDM%20Book/bookfinal.pdf
  • VDM information web site - 導入事例, http://www.vdmtools.jp/modules/tinyd1/index.php?id=5

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